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英語の子音 Consonant vol.1 破裂音【Stop Sound / Explosive Sound】

Consonant Chart / 英語の子音チャート

主要な子音の発音記号チャートを作ってみました。縦軸はサウンドと無声音(Voiceless)、有声音(Voiced)、横軸は口腔内の部位を示しています。母音の他にこれらを完璧に発音できる様になれば、もう怖いもの無しです!

無声(VL)

有声(VD)

唇歯 歯間接 歯茎 口蓋 軟口蓋 声門
 

破裂音又は閉鎖音

VL

VD

[p]

[b]

[t]

[d]

[k]

[g]

摩擦音 VL

VD

[f]

[v]

[θ]

[ð]

[s]

[z]

[ʃ]

[ʒ]

[h]

 

破擦音 VL

VD

[ʧ]

[ʤ]

鼻音 VD [m] [n] [ŋ]
流音 VD [l], [r]
半母音 VD [w] [j]

一番下に前回説明した半母音を加えています。ここでちょっと復習ですが、[w]は唇の半母音、[j]は口蓋の半母音のサウンドということになります。

この他に、前にある母音を伸ばす記号[:]があります。これはよく出てくるので、覚えてしまいましょう。

このチャートのコンソナントを全部正確に一つづつ発音できる様なりましょうね。
英語の半母音 【Semivowel / Glide Sound】半母音 Semivowel 又は Glide Sound ここでは半母音を学びます。[w]と[j]の有声音の発音記号が二つだけなので直...

破裂音・閉鎖音【Explosive Sound / Stop Sound 】

破裂音、又は閉鎖音と呼ばれる子音の発音は口の中の部位を使って空気を破裂させる(Explosive Sound)、又は部位を一度閉じて閉鎖してから開けることで音を発生させる(Stop Sound)という意味です。閉鎖音と言うと少しイメージがしづらいですが、日本では破裂音として紹介されている教科書が多いのではないかと思いますので、ここでは破裂音と表記します。唇、歯茎、軟口蓋を使う3種類あり、それぞれ有声音、無声音があるので合計6つのサウンドがあります。破裂音・閉鎖音は日本人はコツをつかめば直ぐに発音できます。

1. 唇(Labial)の破裂音は日本人には簡単

トップ画像のイラストを参照してください。1の唇Lips (Labial)を使った発音です。

[p]唇破裂音 (無声音:Voiceless)

アルファベットでは”P”がこの発音になります。一度唇を閉じて開けると同時に息を破裂、又は弾けさせる様に勢いよく出します。日本語の「プ [pu]」に近いが母音[u]は発音しないこと。唇から勢いよく吐き出る息の音を聞きましょう。 

単語の中で”ph”と綴られる時は[f]の発音になるので注意してくださいね。
実践その1

以下の発音記号を唾が飛ぶくらい、大袈裟に発音しましょう!口の中に卵のスペースを作って母音の発音をしてくださいね。

  • [pʌp]
  • [pep]
  • [pıp]
  • [pɔp]
  • [pup]
[p]の単語と発音の例
単語 発音記号
happy hæpi
help help
park pɑ:k
peace pi:s
puppy pʌpi

 

[b]唇破裂音 (有声音:Voiced)

アルファベットでは“B”がこの発音になります。一度唇を閉じて開けるときに息を破裂、又は弾けさせる様に出しますが、このときに唇で音を出します日本語の「ブ [bu]」に近いですが、母音[u]は発音しません。

実践その2

唾が飛ぶくらい、大袈裟に発音しましょう!口の中に卵のスペースを作って母音の発音をしてくださいね。

  • [bʌb]
  • [beb]
  • [bıb]
  • [bɔb]
  • [bub]
[b]の単語と発音の例
単語 発音記号
about əbáʊt
baby béɪbi
blue bluː
boy bɔı
but bət, bʌt

 

2. 歯茎(Alveolar)の破裂音は舌の位置がポイント

トップ画像のイラストにある、2の歯茎 (Alveolar Ridge)と10の舌の先端 (Tip of the Tongue)を使った発音です。

[t]歯茎破裂音(無声音:voiceless)

アルファベットでは”T”がこの発音になる場合が多いです。前歯、唇は軽く開けたまま舌先を歯茎に当ててから、弾く様に離す際に息を出す音。息を漏らしてサウンドさせる。日本語の「タ [ta]、テ [te]、ト [to]」の発音に似ていますが、母音は発音しません。又、日本語は舌の上面の広い面を口蓋に当てるのに対して、英語の[t]は舌先を歯茎に当てて破裂させるのでサウンドが違います。

実践その3

唾が飛ぶくらい、大袈裟に発音しましょう!口の中に卵のスペースを作って母音の発音をしてくださいね。口の前に手をかざして息が漏れているか確認しながら発音しましょう。

  • [tɑt]
  • [tet]
  • [tıt]
  • [tɔt]
  • [tut]
英単語で“th”と綴られている時は、[θ]の発音になる時があるので注意してね。
[t]の単語と発音の例
単語 発音記号
button bʌ́t(ə)n
tea tiː
talk tɔ:k
tree tri:
bottle bɑ́(ː)t(ə)l

 

[d]歯茎破裂音(有声音:voiced)

アルファベットでは”D”がこの発音になります。舌先を歯茎に当てから、弾く様に離す際に息を出しながら口蓋に響かせて音を発生させます。日本語の「ダ [da]、デ [de]、ド [do]」の発音に似ていますが、母音は発音しません。又、日本語は舌の上面の広い面を口蓋(イラストの4の部分)に当てるのに対して、英語の[t]は舌先(10)を歯茎(3)に当てて破裂させるのでサウンドが違います。

短く鋭く「デュ、ドゥ」というイメージです。でも母音は発音しないでね。
実践その4

唾が飛ぶくらい、大袈裟に発音しましょう!口の中に卵のスペースを作って母音の発音をしてくださいね。口の前に手をかざして息がどの位漏れているか確認してください。口の中で音を発生させる為、[t]の様に勢いよく息が漏れないので[t]と交互に練習するのも良いです。

  • [dɑd]
  • [ded]
  • [dıd]
  • [dɔd]
  • [dud]
[d]の単語と発音の例
単語 発音記号
door dɔːr
do du:
day dèɪ
old oʊld
sand sænd

 

[t], [d]二つの発音は実際の会話や朗読、スピーチなどでは円滑にフレーズを発生すさせる為に”Space”や”Silence”という方法で実際には息を飲んで間を設けたり、舌を弾かせずに止めるだけに留め、音に現さない場合があります。

 

3. 軟口蓋 (Velar)の破裂音はコツをつかめば直ぐできる

トップ画像のイラストにある、5の軟口蓋Soft Palate (Velar/Velum)と14のBack of the Tongueを使った発音です。

軟口蓋って言われても、部位が分かりにくいですよね。日常生活では痰を切る時に人はこのエリアを何気なく使っています。確認したい場合は、痰を切る真似をして観てください。

[k]軟口蓋破裂音(無声音:voiceless)

アルファベットの”K“”C”又は”Q”に現れる発音です。口の中の奥にある軟口蓋:Soft Palate(喉の手前)を閉じてから離す際、勢いよく息を喉の奥から吐き出す時にでる音です。日本語の「ク [ku]」に近いですが、母音[u]はサウンドしません。

実践その5

まず「ガ、ギ、グ、ゲ、ゴ」の濁音を柔らかく鼻にかけてゆっくり発音して、そのときに舌の付け根辺りと、その上の軟口蓋を一度閉じるのを感じてください。その部分を使って発音します。口の前に手をかざして、勢いよく息が漏れているかチェックしながら練習しましょう。

  • [kʌk]
  • [kek]
  • [kık]
  • [kɔk]
  • [kuk]
[k]の単語と発音の例
単語 発音記号
key ki:
sky skaɪ
back bʌk
queen kwi:n
coffee kɔ́ːfi, kɑ́(ː)fi 

 

[ɡ]軟口蓋破裂音(有声音:voiced)

アルファベットの”G”で使われる発音です。口の中の奥、軟口蓋部分を閉じてから離す際、勢いよく息を破裂させる時に喉の奥や口蓋に響かせて出る濁った音です。日本語の「グ [gu]、ガ[ga]」の中間の様なサウンドですが、はっきり母音[u, a]は発音しません。[k]とは異なり、息は唇からゆるく漏れる感じです。

実践その6

ガ、ギ、グ、ゲ、ゴ」の濁音を柔らかく鼻にかけてゆっくり発音して、そのときに舌の付け根辺りと、その上の軟口蓋を一度閉じるのを感じてください。その部分を使って発音します。[g]と母音のサウンドをゆっくり、明確に、赤字で記した終わりの[g]を強調して練習してください。口の前に手をかざして、息は[k]ほど勢いは無く、ゆるく漏れている程度である事をチェックしましょう。

  • [gʌg]
  • [geg]
  • [gıg]
  • [gɔg]
  • [gug]
[g]の単語と発音の例
単語 発音記号
go goʊ
again əɡén
gate geɪt
good ɡʊd
begin bɪgɪn

 

どうでしたか?実践エクササイズはゆっくりはっきりと発音してください。英語の発音は流暢に早く発音するよりも、ゆっくり発音する方が実はごまかしが効かないので難易度が高いんですよ。
英語は流暢にスピード感のある発音をする方が難しいと思ってました〜。自分の耳で正しく言えたかどうかじっくりと聞きながら、口の中のどの筋肉を動かしたか感じる事が大切なんですね。
勿論、最終的には流れる様に文章を音読するのが目標です。筋トレでも最初はゆっくり腕立て伏せするのは、負荷が強くなって大変ですよね。口腔内の動かし方も同じです。時間はかかりますが、負荷をかけて練習したら、後が楽になるんです。
わざとゆっくり発音するのは口の筋トレなのね。