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英文を音読して発音練習 Vol.3

ジャズスタンダードの歌詞を音読してみよう

”I Can’t Give You Anything But Love” [Bセクション]

“I Can’t Give You Anything But Love”の歌詞を分かりやすいように前半をA、後半にBに分けてブログの2章に渡って解説します。今回はいよいよサビ、後半Bです。

I Can’t Give You Anything But Love

A: I can’t give you anything but love, baby. 1

    That’s the only thing I’ve plenty of, baby. 2

    Dream a while, scheme a while. 3

    We’re sure to find happiness, and I guess, 4

    all those things you’ve always pined for. 5

B: Gee, I’d like to see you looking swell, baby. —6

    Diamond bracelets Woolworth doesn’t sell, baby. 7

    Till that lucky day, you know darned well, baby. 8

    I can’t give you anything but love. 9

前章同様に参考の為に一行ごとに発音記号を記して説明します。やる気のある方は上記の歌詞をノートに書き写して、ご自分で辞書を使って発音記号を下に書き込んでください。やっぱり手書きで書くと覚えも早いです。

音読練習方法のコツ

ここでは流暢に発音するよりも、英語の口になるためのエクササイズなので、多少不自然ですが大袈裟に音読する事に主眼を置きます。参考の為に、私がデモンストレーションをしている音声ファイルを添付しています。一行を3回下の順で発音しています。

  1. 単語を一語づつゆっくり発音。
  2. リンケージやサイレンスを付けて文をゆっくり発音。
  3. 自然なスピードで発音。

[STEP 1] まずは発音記号を見ただけで、それぞれの単語の正確な発音ができる様になりましょう。自分の発音を目をつぶって聞きながら、納得がいくサウンドになるまで口を動かして何度でも練習しましょう。鏡で口の動きを確認しながら練習するのも良い方法です。

[STEP 2] 単語が発音できるようになったら、今度は単語を繋げて大袈裟にゆっくり発音します。私のデモの発音よりもゆっくり発音できたら、もっと素晴らしいです。初めのうちは時間がかかり面倒ですが、これがネイティブの口の筋肉の動かし方に強制する方法です。毎日続けると三ヶ月後位には口の筋肉が動かし方を覚えるので、発音記号を見ただけでさっと英語の口の動きになります。そしてその後がぐっと楽になります。

前章、前半A部分の発音解説はこちら。

英文を音読して発音練習 Vol.2ジャズスタンダードの歌詞を音読してみよう ”I Can't Give You Anything But Love” [Aセクション] ...

歌詞のBセクションを一行ごとにポイント解説

B-6

Gee,  I’d  like   to   see  you  looking  swell,  baby.

dʒiː,  aɪd   lk   tu  siː   juː   lʊkɪŋ   swel,  beɪbi.


[dʒiː]:[dʒ]の音を確認しましょう。

[aɪd lk tu]:[d]の舌先を歯の付け根から離さずにすぐに[l]を発音します。そして[k]の発音の直後に舌先を素早く歯茎へ動かし[t]の閉鎖音(舌先の破裂音)にスムーズに繋げます。

[siː juː]:母音[i]の発音のから半母音[j]へスムーズにインサイドワークで口腔を動かしましょう。

B-7

Diamond  bracelets  Woolworth  doesn’t  sell,  baby.

daɪmənd  breɪsləts   wʊlwərθ   dəzənt  sel,  beɪbi.

この一行、リンケージはありませんが小難しい発音のオンパレードです。一語一語はっきりと正確に発音することが大切です。単語の持つリズムを意識して練習してみましょう。

[daɪmənd]:ダイモンド」ではなく、「ダイモンド」に近いですね。

[breɪsləts]:「ブレスレッツ」ではなく、「ブレイスラッツ」が近いですね。

[wʊlwərθ]:なんだこりゃ?アメリカのデパートの名前「ウールワース」です。唇を尖らせて、[wʊl]と[wərθ]分解して練習してくださいね。

私の発音サンプル録音では、最後の通常スピードの音読では[dəzənt][t]はサイレンスにしていますが、小さく発音しても一向に構いません。

B-8

Till  that  lucky  day,  you  know  darned   well,  baby.

 tɪl  ðæt  lʌ́ki  deɪ,   juː   noʊ   dɑːrnd   wel, beɪbi.

[ðæt][lʌ́ki]:二つ母音を正確発音しているか確認しましょう。[t]の閉鎖音を発音せずに下を歯茎に付けたまま[l]の発音をします。

[dɑːrnd wel]:「ダーンドゥウェル」の様なサウンドになります。

B-9

I   can’t   give  you  anything  but   love.

aɪ  kænt  ɡɪv  juː   eniθɪ̀ŋ   bət  lʌv.

最後のフレーズは冒頭A-1の一行と全く同じですね。

感情を込めて詩を朗読したり歌うようになると、歌の冒頭と全く同じ文章とは言え全く同じ気持ちで語る事はできませんよね。切々と恋心を説明をして最後に、「だから君を愛することしか出来ないんだよ。」と説得力を持たせて締めくくるのですから。

さあ、いかがでしたでしょうか?いきなり英文を音読するよりも、発音記号を見て発音する方が自分の口から出る音に集中できる気がしませんか?

ご自分でジャズヴォーカルを学ぶ方なら、課題曲5曲ぐらいで辞書を引かなくても”I, You, She, He, They”とか”love, heart, soul, day, sky, rain, with, of, in, to…”等の一般的な頻出英単語の発音記号がスラスラ書ける様になってくると思います。そうなればこっちのものです。後はちょっと不慣れな固有名詞や、普段聞きなれない教養レベルの高い英単語が出てきた時に辞書で確認する程度になると思います。

私はジャズヴォーカリストなので、歌詞が発音練習の教材になりましたが、詩や小説、戯曲を朗読してみるのも良い練習です。英語の言葉の持つリズム感や音色、ライターの語彙力や文章を綴るセンスが音読を通して味わえると思います。例えば、マーティン・ルーサー・キング牧師のスピーチにはいくつか有名なものがあるので、ネットでも原文が探せますし、Youtubeでは本人のスピーチが聞けますので、彼の独特の言い回しやリズム感が体験できます。ただ、彼の英語はちょっと訛っていますけどね。その辺りに気がついたら英語の耳が育っている証拠です。

まずは短い文章からノートに書き出して、発音記号をふって練習して見ましょう。英語の口を手に入れたら、もう一般的な単語には発音記号をふる必要がなってくるはずですよ。