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英文を音読して発音練習 Vol.2

ジャズスタンダードの歌詞を音読してみよう

”I Can’t Give You Anything But Love” [Aセクション]

“I Can’t Give You Anything But Love”の歌詞を前半、後半の二つに分けてブログの2章に渡って解説します。今回は下記のAセクション1から5の五行です。

I Can’t Give You Anything But Love

A: I can’t give you anything but love, baby. 1

    That’s the only thing I’ve plenty of, baby. 2

    Dream a while, scheme a while. 3

    We’re sure to find happiness, and I guess, 4

    all those things you’ve always pined for. 5

B: Gee, I’d like to see you looking swell, baby. —6

    Diamond bracelets Woolworth doesn’t sell, baby. 7

    Till that lucky day, you know darned well, baby. 8

    I can’t give you anything but love. 9

前回は実際に発音記号を使って単語一語一語、そして文にして繋げた所までを音読する手順をじっくり説明したので、最初の一行目しか解説できませんでした。ここでは単語一語づつの解説は省略して、一行ごとに発音記号を記しています。上記の歌詞をノートに書き写し、発音記号を下に書き込んで練習する事をお勧めします。自分の発音練習ノートを作る事をお勧めします。

英文を音読して発音練習 Vol.1ジャズスタンダードの歌詞を音読してみよう "I Can't Give You Anything But Love"にチャレンジ ここ...

音読練習方法のコツ

ここでは流暢に発音するよりも、英語の口になるためのエクササイズなので、多少不自然ですが大袈裟に音読する事に主眼を置きます。参考の為に、私がデモンストレーションをしている音声ファイルを添付しています。一行を3回下の順で発音しています。

  1. 単語を一語づつゆっくり発音。
  2. リンケージやサイレンスを付けて文をゆっくり発音。
  3. 自然なスピードで発音。

[STEP 1] まずは発音記号を見ただけで、それぞれの単語の正確な発音ができる様になりましょう。自分の発音を目をつぶって聞きながら、納得がいくサウンドになるまで口を動かして何度でも練習しましょう。鏡で口の動きを確認しながら練習するのも良い方法です。

[STEP 2] 単語が発音できるようになったら、今度は単語を繋げて大袈裟にゆっくり発音します。私のデモの発音よりもゆっくり発音できたら、もっと素晴らしいです。初めのうちは時間がかかり面倒ですが、これがネイティブの口の筋肉の動かし方に強制する方法です。毎日続けると三ヶ月後位には口の筋肉が動かし方を覚えるので、発音記号を見ただけでさっと英語の口の動きになります。そしてその後がぐっと楽になります。

歌詞のAセクションを一行ごとにポイント解説

A-1

  I   can’t   give  you  anything  but  love,  baby.

 aɪ  kænt  ɡɪv   juː   eniθɪ̀ŋ   bət   lʌv,  beɪbi.


発音のポイントは前章で詳しく説明しましたが、リンケージのかかる[ɡɪv juː]とサイレンスにする[bət}に注意です。

A-2

 That’s  the  only  thing  I’ve  plenty  of,  baby.

  ðəts   ði  oʊnli   θɪŋ   aɪv  plenti  ɔv,  beɪbi.

[nli]は二重母音なので注意してしっかり発音します。「オンリー」とならない様に気をつけましょう。

[θɪŋ aɪv]リンクのかかる箇所は繰り返し練習すると良いです。

[plenti]実際に歌を歌う様になると、時と場合によりますが一般的には[t]の発音は強く破裂させない様に弱く発音します。これは日本語で歌うときに「が」を鼻にかけて音を柔らかく発音するのと似ています。アメリカ人は個人差がありますが、会話の中でも柔らかく発音する人が多いですが、イギリス人は比較的はっきりと発音するのが主流ですね。どちらも間違いではありませんが、綺麗な[t]の破裂音を習得しておく事は無駄ではありません。

A-3

Dream  a  while,  scheme  a  while.

 driːm  ə  waɪl,    skiːm  ə  waɪl

[driːm][d]のすぐ後に[r]の発音が来るので、少し難しいです。はっきりと発音できる様に何度でも練習しましょう。鼻音の[m]も鼻に音が抜けているか確認しましょう。

[driːm ə][skiːm ə]:この二つのリンケージは歌をメロディーをつけて場合に必要なりますが、この文を朗読する場合には“a while”で一つの文節なので、リンケージを意識する必要はあまりないです。歌を歌う事を目的にする方は、リンクをつけて練習してみてくださいね。

A-4

We’re  sure  to   find   happiness,   and   I  guess,

 wɪər   ʃəːr  tu  faɪnd  hǽpinəs,   ænd  aɪ  ɡes,

A-4の文は母音を徹底的に練習できますね。[ɪə],[ə],[aɪ],[æ],[e]を明確に発音できる様に練習しましょう。

[wɪər]:この発音は日常会話でも沢山出て来るので、さっと発音できる様に練習しましょう。

[ʃəːr]:「シュアー」ではない所をつかんでください。

[tu]:[twu]にならない様に気をつけましょう。

[hǽpinəs]:「ハッピネス」ではないですね。どちらかというと「へピナス」が近いかな?

A-5

all   those  things  you’ve  always  pined   for.

ɔːl   ðz   θɪŋz    jv   ɔ́ːlweɪz   paɪnd  fɔːr

A-5はこの歌詞での一番の発音の難所です。有声の子音の連続でリンケージのオンパレードです。しかも曲の中でも特にサビ直前のブリッジなので盛り上がる部分になりますので、流暢かつ明瞭に発音したい部分です。まずは単語を個別に発音して練習します。

[ɔːl]:[ɔ]の母音の口に注意しましょう。最初が肝心です。

[ðoʊz]:[oʊ]ですから、「ゾーズ」にならないように。

[θɪŋz]:[ɪŋ]の後の[z]がハッキリと有声音で聞こえるように「ス」にならないように大げさに有声の歯茎摩擦音を練習します。

[juːv]:[juː]は何度も出てくるのでマスターしておきましょう。[v]をはっきりと発音できるようにします。

[ɔ́ːlweɪz]:「オールウェーズ」にならないように。[weɪz]です。

[paɪnd]:[p]唇閉鎖音をはっきりと。[d]歯茎閉鎖音もはっきりと。

[fɔːr]:[f]無声の唇歯摩擦音を丁寧に。母音[ɔː]の音を伸ばして流音の[r]に繋げます。

いよいよリンケージの練習です。リンクが4つも連続でかかる部分で、メロディーに当てはめる為にもこのリンクがスムーズに発音できる事が必須です。でも、朗読するだけなら”all those things”で一旦区切っても全く構いません。練習するときは以下の要領で後ろから繋げて練習していきましょう。

  1. [jv  ɔ́ːlweɪz]
  2. [θɪŋz  jv  ɔ́ːlweɪz]
  3. [ðz  θɪŋz  jv  ɔ́ːlweɪz]
  4. [ɔːl  ðz  θɪŋz  jv  ɔ́ːlweɪz]

 

如何でしたか?前半部分Aセクションが終わりました。ほっぺが疲れていると思うので、よくマッサージしてくださいね。

次は後半Bセクションです。

英文を音読して発音練習 Vol.3ジャズスタンダードの歌詞を音読してみよう ”I Can't Give You Anything But Love” [Bセクション] ...