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英語の発音とJazzやJazz Vocalに特化したブログ

初めまして。ジャズに恋して、追いかけてNYへやってきたジャズヴォーカリストのブログサイトへようこそ。

このサイトは以下の方達のお役に立ちたいブログサイトです。

  • お洒落だけど難しそうなジャズという音楽に興味がある。
  • これから楽器を始めたり、ジャズを歌ってみたい。
  • 楽器やヴォーカルでジャズを習い始めている。
  • パフォーマンスでのレパートリーを増やしたい。
  • 別にジャズに興味は無いけど、英語の発音を上達させたい。

後はNYに行ってみたい、NYのジャズミュージシャンの生活を垣間見たいという方にも楽しんでいただけるかな?と思います。でも、どちらかというと英語の発音の習得と日本ではあまり知られていないジャズスタンダードの紹介がメインになると思います。

NYに居るとミュージカルやジャズヴォーカルを学びに来る日本人の若者達と出会います。オーディションではダンスで最終まで残るのに、発音の悪さからモノローグや歌で落ちるという話を良く見聞きします。

私の主人はNY市立の大学院のジャズコースで教えているのですが、公立なので授業料が比較的安いのと、立地の良さから世界中から留学生が集まります。欧米や南米の学生達に比べるとアジア人、特に日本人の発音の悪さは教授陣の悩みの種だそうです。大学院は専門性を高める研究をするので、授業で発音矯正のクラスなんてありません。もちろんアメリカでは大学も大学院も商売ですから、卒業出来る単位が取れさえすれば卒業させてしまいます。

主人からは「君はどうやって発音のトレーニングしたの?君がチューターで教えたらいいのにね。」と言われます。そんな事もあって、私が学んで来た事をシェアできないかな?と考えていました。また、最近は楽しみとしてジャズヴォーカルを習い始める中高年の方が日本で増えているらしいので、ジャズヴォーカルをゼロから始める方にもきっとお役立につと思います。

ジャズヴォーカルを本気で習うと英語の発音が良くなる 

英語の発音記号を習得する

私は子供の頃から英会話を習っていたせいもあって、発音にはそこそこ自信がありました。中学生の頃は英語のスピーチコンテストにも毎年出場していました。でも、いざ本格的にジャズヴォーカルを学んでみたら、恩師の沢田靖司先生に

うーん、まだお前の英語にカタカナでルビふれるな、俺。

と言われて正直ショックでした。これは日本人が歌っていると判別できるいう意味です。沢田先生は数年前に惜しくも他界されましたが、当時は徹底的な発音指導とビートを重視し、徹底した指導で有名でした。歴代のお弟子さんの中には有名なジャズボーカリストの方々がいます。

まず最初の三ヶ月は発音記号の勉強と母音と子音を正確に理解する事、英単語を超スローで音読する練習ばかり。初めのうちは正直気が遠くなりましたね、歌を習いに来ているのに、歌のレッスンしてもらえ無いんですよ。でも、先生に度々言われたのは、

今やってる事は、英語の音をサウンドさせる口に矯正しているんだよ。この方法だと歌うための地声が響く様になって歌声も良くなるし、ジャズを歌うときに英語の言葉を自由にスイングさせられる様になる。それさえクリアしたらその後が早いんだよ。そしてそこから先がジャズヴォーカルの世界。映画の”My Fair Lady”を観たことあるかい?俺はヒギンズ教授と同じ事をやってるって事だよ。

ジャズを歌うには、英語の音を出す口が必要不可欠だと言う事です。超スローで発音するのは誤魔化しが効かないので、正確な発音をしないとすぐにバレるからです。日本で生まれて日本で生活していた私の口は、物心ついた時から日本語だけを聞き、日本語を発音する様に成長していたわけです。この様に最初は英語の発音をするための口腔の開け方、顔の筋肉の動かし方を頭で理解して、実践する事で習得しました。

ここで大事なことは、アルファベットを見て発音せず、英語の発音記号を読んで発音することです。日本人は中学高校の英語の授業の音読で、サムライ英語(ローマ字読み)での音読のくせがついているからです。

辞書で単語を調べると、カッコ書きの中に書かれている訳の分からない記号の事ね!
そう。そのカッコの中には音情報とアクセントやストレスの情報も入っているので、そのカッコの中の発音記号の並びを正しく音読すれば発音できちゃうんです。

ネイティブの人達は音とリズムで単語を理解し、文章を抑揚で捉えています。彼らは一つ一つの単語にアクセントが無いと、理解出来ないと言っても過言ではありません。文章はさらにその単語の繋がり、リズムや抑揚の羅列です。リンケージと呼ばれますが、それは文章を音読する段階で詳しく説明します。

発音記号を正しく習得してジャズヴォーカルを学んでいくと、英語独特の言葉のリズムが、ジャズのスイング感に深く関わっていることが実感できる様になります。

英語を聞く耳、理解する脳が育つ

私がNYに来た当初は言いたい事は言えるけど、ネイティブの人達の普通の会話には全然ついていけませんでした。まず喋るスピードが早いし、人それぞれ話し方に癖もある。一般の人達は英語教材のナレーターや、CNNのニュースキャスターの様な訓練された話し方をしてくれません。まして、人種の”るつぼ”のNY、スパニッシュ系、インド系、ロシア系、中国系と強いアクセントのある英語のヒアリングをする事になります。

単語が全部繋がって聞こえる会話文、それはまるで句読点の無い、全てひらがなで書かれた文章を読もうとしている様なもどかしさです。でも解決法はあります。例えば、書家によって書かれた達筆な掛け軸や手紙は、普通の人には読めません。でも書道を習って自分でも書いている人には読めます。英語の発音も同じです。自分が発音出来る単語やフレーズは、徐々に聞き取れる様になります。

これは余談ですが、NYに来たばかりの頃ある記憶が蘇りました。テレビで阪神巨人の漫才を観て、全く理解できなかった幼い頃の記憶です。親の喋る日本語は分かるのにショックでした。親には「その内だんだん理解出来る様になるから、聞いてればいいよ。」と言われました。聞き慣れない関西弁、しかも早口で喋る漫才。幼い私には関西弁を聞き取る耳と理解する脳が成長していなかったんですね。

ネイティブの人達の話す英語は、慣れていない日本人には一つ一つの単語がリンクによって全部繋がって聞こえるので、日本語の音を理解する耳と脳のままでは聞き取れないんです。

会話で彼らが聞いているのは、一語一句のクリアな音ではなく全体のリズムと抑揚です。私は沢田先生の元で勉強している時に、こういう風に発音記号を学んで発音の勉強をしたら英会話も上達するんじゃないかな?と感じました。

しかも自分の発音を自分の耳で正しいか正しくないか、確認しながらゆっくり単語や歌詞を発音して練習して行くので、聞き分ける力も自然に上がっていきます。自分が正確に発音できる言葉やフレーズは次第に会話の中でも聞き取れる様になります。そして歌の良いところは、歌を口ずさむ事で発音の練習と維持が出来ることです。しかも英語の母音で発声を訓練していくと声がよく響く様になり、喉を痛めずに声が通る様になるオマケ付きです。

カラオケに行く機会の多い人なら、ジャズが歌える様になったらレパートリーが広がりますよね。ホテルのラウンジやクラブの生ピアノで歌ったらモテちゃうかも? 

歌詞には共感できるストーリーがある

ジャズの名曲がスタンダーズとなった要因には、メロディーの良さもありますが、文学的にもレベルの高い、ウィットに富んだ歌詞もとても魅力的です。その殆どが古い流行歌だったり、ミュージカルや映画で使われている楽曲なので、ほぼ恋愛ものが多いですが、いまの時代でも心に響く恋愛模様や心情、風景が綴られています。

私も七転八倒、悲喜交々、いろいろ経験して来ましたが、その時々で歌に救われて励まされて来ました。歌い始めた頃はスローバラードなんて難しくて歌えませんでしたが、経験を重ねて自分の感情を客観的に見つめられる様になると、「これって今の私だわ。」「あ、今この曲歌えそう。」と思える曲が見つかったりします。

メロディーで選曲するんじゃなくて、歌詞のストーリーから自分らしい選曲ができる様になりますよ。

私は多分結婚しないだろうと思ってNYに来たけれど、思いがけず心から理解しあえるパートナーと出会いました。主人は絶対ありえ無いって思っていたジャズミュージシャンでしたけどね。当初は帰国するつもりだったので沢田先生には何も言わずに渡米しましたが、先生と家族ぐるみでお付き合いをしている方々や、長年日本で沢田先生と仕事をしていたジャズヴォーカリストのDolly Bakerさんにも偶然再会しました。

縁は異なものです。ジャズに恋して独りNYへやって来た結果、今の自分がいる。主人と2人NYの片隅でサバイバルなジャズライフを送っていますが、そんな私が感じるジャズという音楽の魅力も皆さんにお伝えできたらいいなと思っています。

巷では人生100年時代に突入とか言われています。長年勤めた仕事をリタイヤして、悠々自適の余生を楽しむどころか、その余生が長くなるのだそうです。60歳で定年した後40年ってもうひと人生ですよね?腹式呼吸の発声法で歌うことは健康にも良いです。ヨガやお茶の世界の様にジャズも皆さんのハッピーライフのお役に立ったらいいなと願っています。

発音記号について

私が日本で英語を勉強していた時は、イギリス人の先生が多かったのでイギリス英語を学んでいました。でも、ジャズを勉強するためにアメリカに来たので、単語の綴方が違ったりして初めのうちは戸惑った経験があります。

このブログはジャズヴォーカルの勉強の為の英語の発音を解説しているので、アメリカ英語の発音を基本にしています。BBCのニュースやCNNのニュースをご覧になれば分かるように、イギリス英語とアメリカ英語はサウンドが異なります。単純な分かりやすい違いを挙げるなら、イギリス英語の母音が口を縦に開けるのに対して、アメリカ英語は横に広げる傾向があります。

発音のテキストや辞書の出版社によって発音記号の表記が若干異なっている場合があります。オックスフォード辞典にはイギリス英語独特の発音記号が記載されています。辞書によっては英米2種類の発音記号以外にも、発音の強弱で変化する母音の発音記号を全て記載している場合があります。jazz恋ブログではアメリカのニュースキャスターが話す様なアメリカ英語の標準語を念頭に入れています。

参照している辞書